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人生トホホ

上手く生きれないひとのために

貧乳問答歌

なにせ貧乳である。

 

学生の時から「AAA(トリプルエー)」と馬鹿にされ、

大人になっても、銭湯に行けば年下の女の子たちが自分より豊かな胸をブルンブルン震わせ闊歩しているのを見て凹み

篠崎愛の写真集を見て悶絶し、

とはいえ巨乳は全体的にふくよか!私はまだ痩せている方だから仕方が無いと自身を慰めていたら、

最近ではイズミリカとかいう究極の細身巨乳が現れ心の拠り所を喪い

あんな体型に生まれ落ちるには前世で村人たちを救うために自ら山のヌシの生け贄となり命を捧げた村娘(おそらく名前はサチ)くらいに徳を積んだに違いない。そうだと言ってくれ。と願いつつ、

歯を食いしばり豆乳ときなこ、唐揚げに生キャベツ(巨乳になると言われている四種の神器である。ちなみに生キャベツに含まれるバストアップ成分を「ボロン」というらしい。ふざけたネーミングである)を摂取し、隙あらば己で乳を揉みしだく

 

そんな暮らしをしている。

 

そういうと胸の豊かな友人らは、

「いや~肩こるから辛いよ~」だの

「カップが大きすぎるとブラが売ってなくて大変! 」

だのとのたまうが、

じゃあ私の乳と交換するかと訊ねると、揃って黙りこくる。

気休めのことばより欲しいものはお前の乳だ。ちぎってよこせ、今すぐにだ。といつも思う。

 

 

では、貧乳の何がデメリットか。

 

色気が全く無い・貧相というのは勿論であるが、(この悩みが95%ほどを占める)

地味に面倒なのが、着られる服が少ないことだ。

襟ぐりが緩めの服や、Vネックのニットはもれなく着られない。

 

「鎖骨チラ見せで上品セクシー♡」だの

「ゆったりニットで女の色気ゲット♡」だのを狙おうとすれば、

ただの「ゆるゆるの服を着ているだらしないやつ」と化す。

そして屈むと色んなモノがコンニチワしかねない危険性を常に孕んでおり、

うっかりそういった服を着てきてしまった日には、一日中トイレを我慢しているオカマの如くクネクネソワソワする羽目になる。

 

また、かといってタイトなシルエットの服やタートルネックを着ると、

真っ平らの胸が悪目立ちし、「私、貧乳です!」と自ら主張しているような状況になる。

斜めがけのショルダーバッグなどを装着しようものならさらに悲惨さが増す。(谷間の〝無さ〟が強調されるのである)

 

ああ、一度でいいからパイスラッシュ、してみたい。

鎖骨みせで華奢見え、してみたい。

 

そうぼやきながら、UNIQLOのセールで無難な丸首のカシミヤニットを大量買いする日々である。

 

そんな中、今から数年前のことであるが、「催眠術カフェ」なるところで「バストアップ催眠」をかけて貰えるという噂を聞きつけた。

 

 新宿ゴールデン街にひっそりと佇んでいたその店は、一見するとありふれた清潔なカフェであった。催眠術をかけてくれるというマスターも、至って普通の男性である。

 

本当に催眠術なんてあるんだろうか?期待と疑いに胸を膨らませながら早速催眠をかけて貰う。

 手を握られ、「あなたはどんどん眠くなる…」といかにもな暗示を掛けられると、

いかにもではあるのだが、本当にどんどん自分が深い闇のようなところに落ちていくような、半醒半睡の感覚に陥った。これは、いけるかもしれない。

夢うつつのぼんやりした頭の中でガッツポーズを取る。そして催眠状態に入った私にいよいよ「バストアップ催眠」がかけられ始めた。

 

マスター(以下:マ)「あなたの胸の内側の筋肉が、だんだん柔らかくなって…」

私「(…なって?)」

マ「おっぱいが、上を向きます…」

私「;`;:゛;`(;゚;ж;゚; )ブフォ」 

うつむきながら思わず噴き出した。

身体が小刻みに震える。

その後も淡々と続けられる暗示。

 

マ「あなたの目の前に、とてもかわいい赤ちゃんがいます…」

私「(ほう…)」

マ「あかちゃんにおっぱいをあげなくてはいけません…」

私「(えっ)」

マ「あなたのおっぱいはどんどん大きくなります…」

 私「(えっ)」

 

以下が、その際の動画である。

バストアップ催眠

 

確かにマスターの腕は確かだった。

しかし、その暗示の内容があまりにシュールで、催眠に集中できなくなってしまったのであった。 

 

現在、マスターはインドだかチベットだかに修行に出ており、カフェは営業を続けているものの催眠術は行っていないようだが、

ゴールデン街辺りを歩く度に、あの時のことを思い出すのであった。

 

 

 

そして私の胸は、今日も貧乳のままである。